医療費のお知らせで医療費控除
確定申告時期の光景
所得税の確定申告時期、
猫の手も借りたい!と思うものの一つが
医療費の集計です。
パンパンになって大量に届く医療費の領収書
一枚ずつ内容を確認して集計をします。
会計事務所勤務時、
「これ使えないんですか?」と
先輩に医療費のお知らせを見せ、
「無理!」「ダメ」
と言われ、粛々と電卓片手に集計をしていたものです。
「医療費のお知らせ」「医療費通知」とは
ところで、
「医療費のお知らせ」ってご存知ですか?
加入している健康保険組合から定期的に葉書や封書で送られてきます。
一定期間に保険証を使用して受診した
医療機関の名称や支出した金額が一覧表で表記されています。

かつては集計の際に使用できなかった「医療費のお知らせ」
平成29年の確定申告から使用できるようになりました。
便利になった点!
【集計が楽】
何よりも集計が楽になりました。
【面倒な領収書保存も不要】
税務署に提出できていた医療費の領収書も
税制改正により今後は受け取ってもらません。
つまり保管義務が納税者になったということです。
しかも5年間、、、
それが、このお知らせを添付して提出することで
領収書の保管をしなくても良くなるのです。
【再発行手続きも可能】
領収書を紛失した際、
医療機関から再発行をしてもらえない等の理由で諦めていた医療費控除も
「お知らせ」であれば再発行してもらえるケースもあります。
注意点
【使用できるフォーマットになっていますか?】
医療費のお知らせに以下の事項が表記されていないと使えません。
- 被保険者氏名
- 受診年月日
- 受診者名
- 医療機関等の名称
- 医療費の額
- 保険者等の名称
【一部は領収書の集計・保管が必要】
医療費控除の対象となる、
一般市販薬の購入代金や
医療機関に行った際の交通費。
こういったものは「お知らせ」には含まれていませんので
別途の集計・保管が必要です。
【確定申告時期までに間に合わない】

これは神戸市からの「お知らせ」の送付予定時期の一覧です。
確定申告書の提出は3月15日が期限ですので、
前年の12月分(場合によっては10月・11月分も)は間に合いません。
この期間に受診した領収書にちては従前通り
明細書の作成・保管が求められます。
意外と知られていなかった?
9月に租税教室で医療費控除の説明をした際、
「知らなかった」
「もっと早く教えてほしかった!」
という声をいただきました。
今年で3年目になるこの制度も
まだまだ認知度は低そうです。