改正、相続税法おさらい③

遺産分割に関する見直し

前回は「配偶者の居住の権利」についてお話しました。
今回取り上げる「遺産分割に関する見直し」も前回同様、
配偶者を手厚く保護する内容が含まれています。

配偶者には手厚く

被相続人から生前に贈与を受けた場合、
その贈与を受けた財産は特別受益として
相続税の計算時に他の財産に特別受益額を加えた上で
それぞれの相続分の算定を行います。

これを「持ち戻し」と言います。

これまでは、
被相続人が持ち戻しをしなくても良いという意思表示をしていた場合には
この持ち戻しが免除されていました。

それが、、、

「婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住建物等の遺贈又は贈与については、持戻免除の意思決定があったものと推定する」

このような規定が設けられ、
原則として遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなりました。

配偶者が生前に財産の前渡として居住用不動産の贈与を受けていたとしても、
持ち戻しがなければ、
その不動産は遺産分割の対象に含める必要がなくなるため、
配偶者は現金等の財産を取得することができます。

こういった点で配偶者に手厚い施策といえます。

遺産分割前の貯金の引き出し

預貯金が遺産分割の対象となる場合に、
各相続人は、
遺産分割が終わる前でも一定の範囲で預貯金の払い戻しができるようになりました。

これまでは、
相続の開始が銀行に伝わったと同時に、
口座は凍結され、
預貯金の引き出しをすることができませんでした。

そのため、
当座の生活費や葬儀費用の支払資金についても
遺産分割が終了するまでの間は払い戻しを受けることができませんでした。

今後は金額による上限があるものの、
一定割合について家庭裁判所の判断を経なくても、
金融機関の窓口において支払いが受けられるようになります。

払戻額≦相続開始当時の預貯金残高 × 1/3 × その相続人の法定相続分

(※ただし、1つの金融機関から払い戻しが受けられるのは150万円までです)

♦︎編集後記♦︎
納め、納め、納め、、、
仕事納めは27日
テニスの打ち納めは19日
走り納めは、、、自分の意志次第